給付金10万円の目安が「3万円」に減額か?
11月中に取りまとめが予定されていた経済対策ですが、共同通信によると「住民税非課税世帯に3万円検討」との報道がされており、非課税世帯1500万世帯に対して4500億円規模となる見通しとなっています。
ただ、公明党の石井代表が選挙直前にテレビ番組で発言していた内容では、低所得世帯へ10万円が目安との話がされており、その対象についても住民税非課税世帯よりも少し広がる可能性もあるとの話でした。
結局、当の石井代表は落選したため、これを民意ととらえると10万円の給付金案にはノーが突き付けられた結果となりましたが、代表の話を聞いて比例代表で公明党に投票した人もいるでしょうし、選挙公約とまではいかないのまでも、約束が違うととらえる人も出てくるかと思われます。
その一方で、現役世代への減税策には、基礎控除の引き上げで7~8兆円の税収減が予定されており、規模感では10倍以上の差があります。「給付金」については高齢者優遇の側面があり、一方で「減税」については現役世代優遇の側面があります。
もし、衆議院選挙で自公が過半数割れを回避していた場合、国民民主党の減税策はスルーされていた可能性が高く、大幅な税収減とはならなかったでしょうし、10万円の給付金は実施されていたのかもしれません。
しかしながら、自公が過半数割れをした結果となったため、国民民主党の減税策を飲まざるを得なくなり、今後は税収減となる見込みで10万円の給付金を実施する余裕がなくなったものと思われます。
今回の過半数割れについては、裏金問題による一時的なものなのか、それとも公明党の支持母体である池田氏が他界した影響で集票力が弱体したのか、もしくは団塊の世代の高齢化によるものなのかは不明です。
いずれにしても、これまでのような高齢者中心のシルバー民主主義は成り立たなくなり、今後は現役世代中心の政治へと変化していく流れになると思われます。結果として、高齢者への「給付金」から現役世代への「減税」へ、政策の中身も変化していくはずですし、今回の減額はその転換点といえるかもしれません。