電子納税はもっと簡略化できるのではないか?
電子納税の簡素化を政府税調が議論しており、平成31年度にも電子納税の義務化を検討しているようです。ただし、これは大企業を対象としているようで資本金1億円以上の法人が対象となるもようです。
僕も法人決算は電子納税で済ませていますが、この使い勝手の悪さは常々感じているところです。
原理的にいえば、毎日の記帳作業を正確に済ませるだけで、法人税の計算や法人地方税の申告までノンストップで完結するはずです。その記帳処理をするソフトを国税庁の方で開発するだけで、すべてが解決するものと僕は考えています。
それを民間に配慮してなのかは不明ですが、会計ソフトをまず自分で用意して、最終的に決算書を作成し、その決算書を元に国税庁のe-Taxソフトに入力しなおして申告するというのは二度手間になります。また、この過程でも地方税の計算をしなくてはいけないため、eLTAXとの並行作業が必要になってくるわけです。
原理上、記帳さえ正確にすれば、このすべてが一元化できるはずなのに、それを3つのプロセスに分けなくてはいけないという何とも手間のかかる作業が発生してしまいます。さらに、法定調書や電子納税などの処理をこなすとなるとかなりの時間がとられますので、大幅な売上のロスにつながってしまうわけです。
おそらく、年間売上の20%ぐらいは税務処理のコストでとられてしまうわけですが、もっと簡略化されていれば、本業の売上が伸びて国や地方の税収も伸びているはずと思います。税務処理自体は何の利益も生みませんし、誰も幸せにはしない(※士業の人を除いて)無駄な作業ですので、可能な限り時間はかからない方がよいのです。
これを企業全体でみれば、大幅な税収の底上げになるはずなのに、なぜか使い勝手が悪いままの状態で放置されているのが実態かと思います。
また、電子納税についても国税では対応しているのに、地方税では対応していないなど、ちぐはぐな面が多いです。いっそのこと国税で一括で払うようにして、国から地方に交付金として分配した方がスマートかと思うのです。
仕訳ソフトをひとつ国で開発するだけでよいと思いますし、そう難しいプログラムでもないと感じていますが、なぜこれをやらないのか、常々不思議に感じております。多少難しいのは、損金算入と不算入の箇所かと思いますが、これも仕訳の段階で指定しておけば、すんなりと対応できるものと思います。
このあたりが改善になるのかどうか、今後も注目していきたいと考えています。