低所得高齢者に3万円の給付金か?
今年度の補正予算案に、65歳以上の低所得高齢者に3万円を支給する臨時福祉給付金が盛り込まれましたが、高齢者優遇との批判が相次いでいるようです。この給付金の対象となる人口は約1100万人にのぼります。
これは非常におかしな話です。
現役世代の非正規労働者は可処分所得が少なく、食費や娯楽費なども切り詰めて生活している状況です。もちろん資産などはまったくなく、なかには借入件数の多い人もいます。
一方で、個人資産の保有率は50歳以上で8割を超えてきますので、大半の資産を高齢者が保有していることになるのです。
つまり、資産1億円を持っている低所得者がいる一方、借金を抱えながら非正規雇用で働いている若者世代もいるわけです。この苦しんでいる若者世代が収めた税金から、資産を保有している高齢者世帯へ3万円を給付するわけですから、やっていることがめちゃくちゃです。選挙対策のばらまきといっても過言ではないでしょう。
もしやるとすれば、保有資産への課税も増やした上でやらないと平等ではありません。
高齢者をねらった振込詐欺などが社会問題化していますが、このような世代間の不平等の実態を言い訳に正当化されているケースが多いのです。
加えて、子育て世代への給付はといえば、来年度から廃止される予定となっており、1600万人が対象です。この金額は子供1人あたりたったの3000円ですが、高齢者への3万円を給付するぐらいなら、3千円ぐらいはなんとかならないものかという気もしてしまいます。