「総報酬割」の全面導入で健康保険料はいくら上がるの?

27日の参議院本会議で医療保険制度改革法案が通過しました。

これまで、現役世代が負担する後期高齢者支援金の在り方が焦点になっていましたが、負担方法を人数に応じて算出する「加入者割」から、所得に応じて算出する「総報酬割」へ全面的に移行することが決定されています。

これによって大企業に勤めるサラリーマンや公務員などの保険料負担が増加され、中小企業に勤める協会けんぽ加入者の保険料は現状維持になる見込みです。

そもそも国民皆保険を支える構成団体には以下の種類がありますが、それぞれ団体によって保険料負担能力に差があります。

国民皆保険を支える構成団体

①後期高齢者医療制度(75歳以上)← 無収入
②国民健康保険(自営業、無職、パート等)← 低収入
③協会けんぽ(中小企業の従業員)← わりと低収入
④組合健保(大企業などの自前保険組合)← 担税力あり
⑤共済組合(公務員)← 担税力あり

このうち、①の後期高齢者医療制度は無収入の高齢者になるので、税金などさまざまな形で支えられて運営されていますが、公費5割のほか、高齢者自身の保険料が1割、残りの4割を現役世代の「後期高齢者支援金」で賄われています。

この後期高齢者支援金について、現役世代である協会健保や健康保険組合、共済組合、そして国保の加入者が負担してきましたが、今までは各団体の「加入者数」に応じて決める加入者割も採用されていたため、不公平感がありました。

これを全面的に「総報酬割」を導入することで加入者数は関係なくし、所得によって保険料の負担割合を一定にする仕組みが採用される予定です。所得に応じて相応の負担をし、公平な国民皆制度にしようという趣旨になっています。

この総報酬割の導入により、所得の低い中小企業のサラリーマンが加入する協会けんぽの負担は2400億円減るものの、それまで負担してきた公費分を減額するため、加入者の保険料の増減はほとんど変わりません。一方、協会けんぽの公費減額分の2400億円を、大企業などの組合健保や公務員の共済組合で補う形になり、こちらの加入者の保険料負担は増える予定になっています。

・協会けんぽ → 加入者の保険料は変化なし
・組合健保 → 年間で平均5千円アップ!
・共済組合 → 年間で平均1万円アップ!

私の個人的な印象でいえば、自営業で国民健康保険に加入していた時期が一番負担が高いと感じていました。

毎年、6月に1括で保険料を「65万円」払っていましたが、月額換算するとだいたい「5万円」程度の出費になっていました。一般サラリーマンの方で毎月5万円の健康保険を天引きされているかというとそうでもなく、せいぜい2万とか3万程度の人が多いのではないかと思います。

高額な負担をしたからといって、病院での治療が優遇されるわけでもありません。これは制度がおかしいと常々感じておりましたので、法人成りして協会けんぽへ加入しましたが、サラリーマンになったとたん、2万円程度の金額で健康保険に加入できるようになり、保険料負担はいっきに半額になったことを覚えています。

つまるところ、サラリーマンの保険料の負担が高いとか、協会けんぽのサラリーマンの負担が低いとかいうのではなく、実際に払っている金額を見てみれば、たいていの人はそう変わらない金額になっているものと思います。

どのような形で保険料がアップするのかは不明ですが、保険料の上限を引き上げることで対応すれば、大部分のサラリーマンの負担額は増やさないでも済む形になるのではないでしょうか。

posted by 給付金バンザイ! at 21:09│年金

街角の年金相談センターとは何か?

役員報酬決定の件で年金相談に行きたいのですが、このような相談はどこにすればよいのか見当がつきません。

私の場合、扶養している母親を自分の会社の役員に付けており、今月末が決算なので来月あたりには役員報酬額を決めなくてはいけないのですが、いくらに設定すればよいのか分からないのです。

支給する給与額によって扶養控除や健康保険の加入、あるいは将来もらえる年金額や現在もらっている年金額などに違いが出てくるため、この点を相談したいと考えております。

いわゆる103万円の壁とか、130万円の壁とかいわれているものですが、健康保険や税金などとも関係してくるため、お手上げ状態になっております。

そこで調べてみたのですが、年金事務所のほかにも、街角の年金相談センターというのがあるらしいです。

年金事務所は会社の新規適用の際にで呼び出されたことがあるで、だいたいのふいんきは分かりますが、街角の年金相談センターというのもあるようなので、今回はそちらの方へ行ってみたいと思ってます。

街角の年金相談センターは、社会保険労務士が運営している相談窓口のようなので、健康保険の扶養や厚生年金もからんでくる相談は社労士の方がいいのではないかなと。

相談自体はどちらでも可能なようなのですが、年金事務所が「手続き+相談」だとすれば、街角の年金相談センターは「相談オンリー」に特化しているようなので、ある程度つっこんだ内容でも聞けるのではないかなという気がしております。

実際に行ってくるか、もしくは代理で行ってもらうかはまだわかりませんが、街角の年金相談センターの様子をいずれレビューさせて頂く予定です。

posted by 給付金バンザイ! at 00:00│年金

元公務員による5000万円の年金不正受給が発生

元公務員の86歳の女性が、50年前にすでに死亡していた両親の年金を不正に受給していたとして逮捕されました。もし、両親が生存していたとしたら、今年で父親が112歳、母親が110歳になり、50年間での不正受給金額は5000万円にのぼるとのことです。

日本年金機構多治見事務所によると、「現況届を受け取った以上、基本的には信用するしかなく不正受給に気付くのは難しい。」などと述べていますが、常識的に考えて両親ともに110歳を超えるとなれば、不正受給とわからないわけがありません。

つい先日、お亡くなりになった世界最高齢の大川さんでさえ117歳でした。また、110歳以上の人口は日本で100人もいません。人口比率でいえば、両親ともに110歳以上というのは天文学的に低い数字です。

おそらく、年金機構側は何年もまえから既に気づいていたものと思われます。両親ともに100歳以上になった10年前の時点でも、既に気づいていた可能性があります。

2010年の8月、当時の長妻昭厚労相は、110歳以上の年金受給者全員と面会して所在確認することを決め、日本年金機構に通知していたはずです。
この厚労相の通知を日本年金機構多治見事務所が無視していたということであれば、職務怠慢で処分されるべきではないかと思われます。

役所仕事といわれればそれまでですが、これまでの経緯などについて、よく説明してほしいものです。

posted by 給付金バンザイ! at 13:37│年金

厚生年金基金の積み立て不足が顕在化

全国にある483の厚生年金基金のうち、290基金が解散を予定しており、そのうちの261基金で積み立て不足に陥っているようです。

約306万人に影響が出るようなのですが、私も確か、以前の会社で年金基金に入っていたような気もします。すでに倒産しちゃいましたけど、あの年金基金はどうなっているのでしょうか、わからないことだらけです。

加えて、個人事業の頃、国民年金基金にも加入しており、これもちょっと雲行きがあやしくなってきている気がしてます。最初の頃の加入者は利率がよい状態で年金が受けられるのですが、私が加入したころから、分が悪くなってきておりまして不公平感があったりもしたものでした。

国民年金基金は予定の金額に対する積み立て不足があるとはいえ、解散した際には積み立て分の満額が戻ってくる状態にはなっているようで、まだ黒字の状態のようなのですが、先行き不透明感がいなめません。

現在は法人を経営しているのですが、社会保険料の負担が非常に重く、経営を逼迫しているような状況になっています。通常の厚生年金の会社負担分だけでも大変なのに、企業年金基金などには加入するというのは無理があるような気がしているのです。

加えて、非常に気になっているのが、現在のアベノミクスの株高です。数年前の民主党政権下で日経平均株価が8000円だったわけですが、気がつけば、現在は1ケタ多い18000円になってきています。

この株高を支えているのが、我々の年金であるといわれており、これは3階建ての年金基金の部分ではなく、ガチの年金の部分が投入されているらしいのです。

この運用方法についても疑問を持っていたりもしたのですが、どのような運用になっているのか、実態がみえずらいものがあります。
https://teigakukyufu.com/article/104801220.html

これの運用は大丈夫なのかと不安になってしまうわけですが、もし、消費税増税のための株高演出のために、後先考えずに年金資金をぶっこんでいたとすれば、年金制度自体に不安を感じてしまいます。

posted by 給付金バンザイ! at 08:41│年金

公務員の共済年金を厚生年金で救済すべきではない

公務員の共済年金は、厚生年金と一元化されることに決定しておりますが、表上は優遇されている公務員年金とサラリーマン年金を同じにするというようなことがいわれております。

けれども、現実を見れば、今後の公務員年金は破綻するのが目に見えておりますので、その前に厚生年金と一緒になって助けてもらおうというのが実際のところではないかと思います。

NTTやJRなどもそうですが、昔は共済年金だったものの、現在は厚生年金になっているケースも多く、今後は郵政民営化による日本郵政なども厚生年金へ移行することになるはずです。

このような民営化が進むことで、共済年金を支える現役世代がどんどの減少していくのは目に見えており、一方で人口構成の厚い団塊の世代が退職することで、給付される世代はどんどん増えていく一方です。

現在でも、厚生年金は約2~3人で1人の退職者を支えればいいだけの話ですが、国家公務員共済組合では、平成24年3月末の時点ですでに2人を切っており、1.52人とかの状況です。地方公務員共済組合については、1.47とかの扶養構成比率になってます。これが今後も進めば、支える人数はさらに厳しくなっていきます。

となると、より少ない人員で多くの人を支える構造になりますので、当然、公務員年金は掛け金を大幅に増やすか、給付を大幅に減らすか、あるいは解散するしか方法はありません。

このような問題があるから、今後はまだ余力のある厚生年金と統合して助けてもらおうという話になっているものと思われます。けれども、あたかも公正を期するためにあえて痛みを伴う改革をしたというような、そういうふいんきが醸し出されている感じがしてしまうのです。

年金というのは、払った人がその制度の年金をもらえるべきであって、厚生年金を払ってもいない公務員が厚生年金もらうというのはおかしな話です。公務員は、給付額を半分に減らした上で共済年金をもらえばいいだけのことです。

公務員の共済年金を厚生年金で救済する必要などないと思うのです。
posted by 給付金バンザイ! at 00:00│年金

11月30日は年金の日

年金の日が11月30日に設定されているようなので、これを機に、年金制度について考えてみたいと思います。

そもそも年金というのは、国民年金と厚生年金、そして個人年金にわけることができますが、公務員の年金というのも存在します。それが共済年金になりますが、「国家公務員共済」と「地方公務員共済」、そして「私立学校教職員共済」にわかれています。

詳しく見れば、議員年金などもあるため、単純に国民年金と厚生年金のふたつというわけではなく、様々な種類の年金制度があるわけです。

そして、給付や待遇についても、それぞれ違いがあります。

特に、共済年金の「職域加算」については、年金の上乗せといわれており、3階建て年金といわれているゆえんになります。また、議員年金などもやゆされていますが、一般的な国民とは待遇がぜんぜん違う制度になっているわけです。

一方、国民年金のみに加入している人は、将来的に月6万円程度しかもらえないといわれており、この年金格差がばからしく感じられるため、若い世代の納付率は年々低下している傾向にあります。

このあたりまでは、一般的にも認識されていますが、それぞれの年金資金というのは投資運用にまわされており、この運用実態の面でも格差が広がっています。

今年の6月、市場に共済年金の買いが観測されたとの報道がされましたが、このニュースはあまり大きく取り上げられませんでした。けれども、この投入される順序によって、リスクや積立て金についての違いが生じるわけです。

例えば、共済年金の資金で日経平均14000円の時点で株を買ったとします。そして、さらに厚生年金の資金も投入して日経平均が16000円まで上昇したとします。そして、16000円に上昇したところで、共済年金が利益確定をすれば、2000円もうけることができるわけです。

ここに、なぜ、サラリーマンの厚生年金の資金を先に投入しないの?という、ごく当然の疑問が生じるわけです。この面でも、運用格差というのがあるわけです。

また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用収益が大幅にプラスに転じているというニュースも報道されてはいますが、それを実際に利益確定して売ろうと思っても、その価格で売れるわけではありません。

ずうたいがでかすぎて、もし売るとすれば、株価が暴落して安値で売るしかないのが年金運用の実態といえるわけです。

年金の日ということで、改めて年金制度について考えてみましたが、知れば知るほどおかしな制度だなと感じることが多くなってきました。現在の若い世代は非常に賢い人が多く、このあたりの実態を大勢の人が気づいているため、年金を払っていない人が多いのです。だって、ばからしいですもんね、月6万円なんて。

posted by 給付金バンザイ! at 22:53│年金

65歳以上になってから年金を増やすには?

65歳以上になって、既に年金を受け取り始めた場合、それ以上、年金額を増やそうとしてもあまり手段はないかもしれません。それ以前の状態でしたら、追納や後納制度を利用して少しでも年金額を増やそうということもできるかもしれませんが、65歳になってしまってからでは遅いのです。

とはいえ、厚生年金の場合なら、65歳以上でも70歳までは厚生年金に入ることができますので、5年ほど頑張って働けば多少はアップするかと思います。アップするといいましても、5年間払って月あたり1万、2万ぐらいの増加でしかありませんが、多少は増やすことができるかと思います。

65歳以降も払っている分については、70歳になるときに再計算されて加算されて支給されるようになります。ただ、厚生年金は70歳までしか加入できないので、それ以降はどうあがいても年金を増やす方法はないかもしれません。

実は私の母が現在、そのような状況なのですが、両親は離婚しておりますので、年金額がかなり少なく、月額6万円程度しかないようなのです。これを少しでも増やしたいということだったので、私が経営している会社に役員として配属させ、役員報酬を支払って厚生年金に加入させているのですが、正直、負担が重たいです。

一応、経理らしき仕事や役所へのお使いなどの仕事を振っているのですが、実際のところ、給与に見合った働きをしているのかいまいち疑問が残るところです。

私もそろそろ結婚を考えたい時期なのですが、母のほかにも、祖母も扶養しているようなものですので、何とか独身時代にこの扶養問題を処理しておきたいのです。

やはり、将来的に、嫁さんから「何でうちだけ扶養しなきゃならないの?お兄さんの方でも負担してもらってよ。」とかなるのが分かり切っているので、今のうちにせめてマンションでも購入しておいて、月々の生活費は自分の年金で賄える状況にもっていきたいわけです。

今は、扶養の費用として、だいたい20~30万円程度はかかっているはずなのですが、自分の家庭を持つとすると、せいぜい月5万円程度しか仕送りできないはずです。
5万円でも、普通の家庭ならけっこう厳しいはずです。

たぶん、親の扶養というのがネックになって、いまいち結婚に踏み切れないという男性も多いのではないでしょうか。現在の少子化社会において、年金問題というのは非常に大きな要素になっているわけですが、これを自己責任ということにしてしまいますと、離婚してしまった親を持つ子供の将来は、かなり過酷な状況になってしまうのが現実です。

幸運なことに、経営者である私の場合はまだ余裕がある方ではあるのですが、おそらく、一般的なサラリーマンの方が同じ状況になったとしますと、人生が詰んでしまうものと思います。

この点、親の扶養手当というのは、国の方でももっと充実させて頂きたいものです。子供手当よりも先に、片親手当をもっと充実させて頂かないと、少子高齢化に歯どめがかかることはないでしょう。だって、親の扶養をクリアにしないと結婚を考えるなどは無理なわけですから。
posted by 給付金バンザイ! at 02:50│年金

確定拠出年金と投資について

主人の会社では何年も前から確定拠出年金(DC)を導入しています。
最初のうちは景気が良かったのでプラスだったので、
運用成績表を見せてくれていたのですが、
最近見せてくれないなぁと思っていたところに
運用報告書が郵送されてきたので、見たら元本が以下でした。

彼の運用先選びが下手なのか、純粋に景気のせいなのかわかりませんが、
「わたしたちの老後の生活費はどうするの」と詰め寄ってしまいました。
いろいろ言い訳をしていましたが、納得がいかなかったので
次回のスイッチングの時には二人で考えて投資先を選ぶことで落ち着きました。

先日、個人年金について研究する研究員と話をする機会があり、
とても興味深いお話を聞くことができました。

現在、企業では確定給付年金(DB)から
確定拠出年金を採用するケースが増えているそうです。
導入時には、従業員に教育・研修をすることになっているそうですが、
一度だけで終わるケースが多いそうです。

やらないより、一度でも研修をしたほうがいいけど、継続して運用成績を見るわけではないので従業員にとって不利な運用結果になる可能性もあるそうです。

研究者は、確定拠出年金と投資行動についてまだフィールドテスト中とのことですが、研究結果についてまた聞いてみたいと思っています。

posted by 給付金バンザイ! at 14:20│年金